9月に「2030年代に原子力発電所の稼働ゼロ」という方針を示した日本政府東日

 9月に「2030年代に原子力発電所の稼働ゼロ」という方針を示した日本政府東日本大震災での福島第一原発事故が国民的な議論を喚起し、従来の原発推進路線から脱原発へ方針転換されることとなった

【画像:もんじゅの中央制御室とその仕組み、ほか】

 政府が行った意見聴取会などでは脱原発方針を支持する声が多数を占めたが、一方で原子力発電を続けるべきだと主張する声も少なからずあるその1人が、原子力研究バックエンド推進センターの菊池三郎理事長だ菊池氏は京都大学原子核工学を専攻後、動燃高速増殖炉開発本部の企画部長などを経て、動燃もんじゅ建設所の所長も務めた

 動燃生え抜きのスポークスマンとしてメディアに露出してきたことから、“ミスタープルトニウム”とも言われる菊池氏日本外国特派員協会で11月6日に行った記者会見で、菊池氏は「福島の事故を乗り越えて世界の最先端の原子力技術を供給していくべきだ」と主張した

●福島の事故を乗り越えて世界の最先端の原子力技術を供給していくべき

菊池 私が原子力業界に入ったのは、オイルショック前なので、もうかれこれ50年間、“原子力ムラ”で過ごしています

 なぜ日本が原子力に取り組むことになったのか、簡単に振り返ってみたいと思います60年ほど前の話ですが、アイゼンハワー大統領が「平和のための原子力Atoms for Peace)」を宣言されて、その時に日本は次世代エネルギーとして原子力に注目したわけです

 その状況は今も変わっていないと思いますもちろん福島のアクシデント、震災があったという事実はありますが、日本がエネルギーを必要とする状況については何も変わっていないと思います私は21世紀から22世紀に向けて、福島の事故を乗り越えて世界の最先端の原子力技術を供給していくべきという立場をとっています

 日本が米国とフランスの技術を勉強しながら、ここまで原子力技術を磨いてきたというのは歴史的な事実だと思いますそして、30年前から日本は原子力の自主技術を開発する、つまり「海外に依存しない原子力技術を持とう」というのが原子力開発の国是となりました日本にはほとんどウランがないので、ウランに頼らない原子力技術を開発しようということで、(高速増殖炉の)もんじゅ青森県六ヶ所村の再処理施設がその中心となりました

 次画像は福井県の、日本海に面したところにあるもんじゅですちょうど国定公園の中にあります

 ここで言いたいのは、ウランだけを使っていると原子力は100年単位のエネルギーでしかないということですそれならば、「たかが100年単位のエネルギーに、これだけの労力を費やすのか」となるわけです

 しかし、いわゆる再処理プロセスを行ってリサイクルすれば※、何千年単位のエネルギーになります30〜40倍のエネルギーになるので、数世紀分のエネルギーを供給できる可能性を秘めているわけです

※いわゆる核燃料サイクル使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出して、再利用する

 原子力発電をやろうとしている国々では、この状況を理解している人がほとんどですウランが潤沢に供給できるので短期的に「しばらく延ばそう」ということはありますが、その最大の原子力発電国の米国でさえ、学者や政策当事者は「ここ数十年のうちには必要になるだろう」とは理解していますマスコミからは「(もんじゅは)年間約200億円を使うので無駄だ」という声がよくあるのですが、将来のことを考えれば極めて安い投資だろうと私は思っています

 また、(高速増殖炉は)現在の軽水炉より比較的、環境への負荷が小さくなります

 もんじゅの計画自体は30年前からスタートしているのですが、立地を決めるのに時間がかかりました1995年にスタートして、電気を起こして、送電も開始しましたしかし、1995年に放射性ではない二次系のナトリウムもれが起きて、その後、15年間の空白ができました

 現在と同じように「将来、この技術が必要かどうか」という議論が国レベルで行われて、日本は「従来通り継続していく」という決定をして、リスタートしたのが2010年ですその間に裁判における闘争など、いろいろありました

 2010年にリスタートしたのですが、その後、IVTM(炉内中継装置)の落下事故があって、現在、その修復は終わっているのですが、まだリスタートする状況にはなっていませんただ、人間の体でいえばまったく健全になっていて、準備運動すればスタートできる状況にあります

 次画像は、2010年の中央制御室でのリスタートの瞬間です

 もんじゅは28万キロワットの電気を出します大きく分けて、次画像のドームの中が炉心で、その中を流れている冷却材が一次系のナトリウムですそして真ん中が、炉心から出てきたナトリウムの熱を、きれいな(放射性でない)ナトリウムに伝え直して外へ取り出すための二次系の容器ですその後は軽水炉と同じように、熱を水に伝えて蒸気を発生させて電気を起こすというシステムです

 もんじゅでは、プルトニウム含有量が20%ほどのMOX燃料※を使っています炉心の周りには、プルトニウムを増殖するためのブランケット燃料も入れてあります

MOX燃料……再処理工場で使用済み燃料から取り出したプルトニウムに、二酸化プルトニウムと二酸化ウランを混ぜてプルトニウム濃度を高めたものこれをウランの代わりに燃料として使うことをプルサーマルという

 昨今の福島の事故を受けて、崩壊熱をどうやってとるかという技術が問題になっていますが、福島の場合は海水ですが、もんじゅの場合は空気冷却です

 また、津波に関連してですが、たまたま地形がそういうことが幸いしたのですが、崖に切り開いて建てている関係で、電源設備などが結果的に全部上の方に配置されています津波を極端に意識したわけではないのですが、そういった対策が結果的にとられているということです

 最近、「もんじゅ核燃料サイクルについて、今後どうするんだ」という議論があり、一部にある反原発の動きの中では「やめるべきだ」「必要ない」という声もたくさん出ていますが、我々としては基本的に粛々と継続し、さらに技術を発展していこうということで、いろんな取り組みをしていますこれからどういう政権になるかも非常に大きいと思いますが、青森の(再処理工場での)核燃料サイクルと(高速増殖炉の)もんじゅが両輪として継続していくという考えで今、進めていますし、多分そういう方向の結論になるだろうと私たちは期待しています

 もうひとつ、その中で福井県青森県といった地方自治体とは、これまで信頼関係を構築してきましたが、今後どうするかについてはステークホルダーとしての地方自治体の意見は大きいと思います

 そして大きな問題として、使用済み燃料、それから再処理した後に出てくる高レベル廃棄物をどうするかということがありますやはり再処理して処分する方がより合理的で、使いっ放しでそのまま処分するのは不可能に近いと思います

 米国でも基本的には長期貯蔵という考え方ですなぜなら少し細かい専門になるのですが、見方を変えると放射性廃棄物一般廃棄物とは違い、来世紀くらいの技術であれば、中に入っている有用な金属をリサイクルできる可能性を秘めている宝でもあるからですそういう見方もこれから必要になってくるのではないかと思います

 この機会をご縁にもんじゅを視察いただきたいと思いますが、敦賀半島関西電力日本原子力発電原子力発電所もたくさんあり、有効な見学ができるので、声をかけていただきたいと思います

 ちょうど都知事を辞めてしまいましたが、2カ月前に石原都知事もんじゅを訪問されました1時間以上かけて、配管の中をぐるぐる回っていただいて、しっかりと見ていただきました2日間一緒だったのですが、意外と元気で、また国会に出るのかなという感じでしたが、積極的にもんじゅをご支援していただいています

●ウランがない日本だからこそ高速増殖炉が必要

――2007年以降、地震によって5つの原子力発電所がダメージを受けていますこんなに地震がひんぱんに起こるような国では、原子力発電所は危険過ぎると言ってもいいのではないでしょうか

菊池 5つというのは具体的にはどれですか?

――2007年の新潟県中越沖地震における柏崎刈羽、2011年の東日本大震災における東海第二、福島第一、福島第二、女川です

菊池 ご指摘は分かりましたしかし私の見解ですが、その5つは地震ではやられてはいません例えば、一番有名な最近の例では柏崎刈羽ですが、私も地震の後にすぐに行って全部見せていただきましたが、原子炉本体はまったくびくともしておらず、ゆがんでいませんでした

 付属施設のところでデコボコが出たりということはありましたが、原子力発電所本体は女川も東海も、地震ということについてはまったく問題ありませんでした

――柏崎刈羽では放射性漏れがあったと言われていますまた、福島第一は(国際原子力事象評価尺度で当初)レベル4の事故で(その後レベル7に引き上げ)、制御するために数日間かかったと言われています今、原子炉に地震の直接の影響はないとおっしゃいましたが、当時も似たようなことをおっしゃっていて、我々外部からはそれを確認する手段も情報もありません今、菊池さんが守ろうとしている業界は今まで数十年間いろんなものを隠してきたりしたので、信ぴょう性について疑問を感じるところがあります

菊池 情報公開の仕方については、いろいろ工夫がいるのだろうと思います

 ニューヨークの9.11以降、テロに対する警備が厳しくなって、情報公開について非常に制約があるというのが現在の状況です私はもんじゅの所長をやっていたのですが、それまでは10万人以上の住民に中まで入ってもらって、全部見てもらったんですねそういう形で公開していくのが一番良い方法だと思いますし、本当は原子力発電所の中にいつでも入れるような状況を作ることがこれからの課題ではないかと私は思っています一方、テロ対策などで機動隊が常駐する状況でもあるので、そことの兼ね合いが非常に大切になってくると思います

 補足ですが、地元の女性職員がたくさんいますその方々が何の心配もなくバスに乗って発電所に通勤する姿を見て、住民の方々は非常に安心すると言うんですね普通に生活しているということが何よりの安心だろうと思いますやはり発電所を含めた原子力施設と一般の方との壁を低くしていくことが、これから必要だろうと思いますそうすれば正しい理解が進むと考えています

――来世紀の技術を使えば、放射性廃棄物から有用な金属を取り出せるとおっしゃいましたしかし、その放射性廃棄物が反対する人たちの大きな理由の1つになっていると思いますその来世紀の技術というのはいつごろ実用化できて、どういう金属が取り出せるのか、もう少し具体的におっしゃっていただけますか

菊池 今日は具体的にそういうことを述べる会ではないのでデータを持ってこなかったのですが、大学や研究所のレベルでは研究が進められています

 (ウランが)核分裂すると、100種類以上の元素が出てきますその中に現在レアメタルと言われているようなものも放射能を帯びているだけで、存在するわけです放射能が減衰すれば普通の元素になるので、そういったものを分離していこうということです

 今は放射性廃棄物を再処理してプルトニウムとウランを取り出していますが、そのほかの有用な元素のグループに着目して、それだけを分離しようという研究が行われていると聞いている、というかそういった発表会などを我々が主催しています

――もんじゅは30年前から計画が進んでいますが、いまだに成果を出していませんフランスでも同じように高速増殖炉を作っていますが、まだ成功していないと思いますドイツも作ったのですが、あきらめて今停止している状況です来世紀の技術というような話もあったのですが、期待感だけで動いているのではないでしょうか

菊池 ご指摘は分かりますが、例えば核融合にしても、それはもっと先の話になるわけですが、科学技術というものは夢を追うところから始まると思いますドイツはカールスルーエで(高速増殖炉の)KNKの実験をしていて、私も何度も訪問しました

 フランスの(高速増殖炉の)スーパーフェニックスはちょっと大きいのを作り過ぎたことと連合体でやったことが良くなかったのですが、もう1つはアレヴァというか、(フランス原子力庁子会社の)コジェマが当面のウランを確保したということですねカーター大統領の時にINFCE(国際核燃料サイクル評価)が始まったのですが、その場合も高速増殖炉を入れる上では、ウラン供給でどういう状況が続くかというところが最大のポイントになっていましたそれでフランスの場合にはウランが当面確保できるということで、少しスローダウンしたということだと思います

 日本の場合にはウランがないんですですから、日本はやはり一番先にやらなければならない環境にあると考えています

――日本の今後20年間の原子力発電の見通し、そして日本の原子力産業体が、もし国内需要がまったく期待できないことになったらどうなると考えているか教えてください

菊池 日本の場合には少なくともまず今ある50数基をきっちり動かすということですこれはエネルギー構造上、どうしても必要になってくるだろうと思いますしかし、その中で比較的古いものについては新しいものに、福島を乗り越えたより安全性の高いものに置き換えていくということが、非常に重要なポイントになってくるのではないかと思います

 これまでの私の経験からしても、もう少し早く国民のみなさんというか住民のみなさんの理解が得られれば、早く止めて新しいものに置き換えたい原子炉があったと思いますそれを促進する方が結果的には技術も向上するし、コストも安くなるし、そういう理解を深めていく必要があると思います

 ですから、少なくとも3分の1のレベル(東日本大震災以前の原子力発電が総発電量に占めていた割合)というのは今後は必要になってくるだろうと私は思っているので、より良い技術のものにしていくことが最大のポイントになってくるのではないでしょうかそうすることで、これから輸出などを考えた時、より良い最先端のものを輸出していける技術開発に向かえると思います

――プルサーマルMOX燃料を使用することについて、本当に将来的に実現する可能性はあると思いますか

菊池 MOX燃料については、技術的な課題より、アクセプタンス(受け入れられるかどうか)が問題になると思います

 というのは現在の普通の軽水炉でも燃料を2〜3年燃やすのですが、その最後の状態ではウランよりプルトニウムの方がエネルギーを出しています(MOX燃料は)最初から少しプルトニウムを混ぜるだけの話なので、欧州ではプルサーマルという特殊な言葉で差別されることはありませんプルサーマルというのは私が若いころに付けた和製英語で、英語にはありません

――もんじゅはこのまま研究を続けて、いつどのような形で実現するのでしょうか現在はどのように燃料を供給するかというより、むしろその結果出てしまう使用済み燃料や高レベル廃棄物、それから最終処分場の問題がかなり心配な状況です夢の実現を待っている間に、そちらの方が破たんしてしまうのではないでしょうか

菊池 もんじゅについては5年間ほど研究して、卒業論文というか、その成果をまとめるのがまず大事で、その成果に基づいて、次にどうするかという議論をしようという方向だったんですね今まではどちらかというと、真っ直ぐの高速道路があって、渋滞に巻き込まれようが真っ直ぐ行ける状況だったのですが、次のステップをはっきりさせるためにも、まず5年間で成果を出すことが第一だろうと思いますその成果をみなさんに問うことで、次のステップをどうするか決めましょうということです

 それから使用済み核燃料を再処理した後の高レベル廃棄物をどう処分するかということですが、使用済み燃料については「とてつもなくたくさん出てきて置き場に困る」とみなさんお考えだと思うのですが、そんなことはありません中間貯蔵が十分できれば、使用済み燃料の貯蔵は技術的には可能です容器に入れて保管することが十分可能です

 もちろん再処理して最終的にはガラス固化体として地層深く埋めることも技術的には可能なのですが、先ほど申し上げた通り、私はゴミとして扱うのではなく、将来の資源としてどう活用するかという可能性を残す方がいいだろうと思います使用済み燃料も高レベル廃棄物も、完全に埋めてしまうのではなく、取り出せるようにしておくのは世界的な潮流になってきているのではないかと思います

 追加ですが、日本だけではなく、韓国でも25基ほど原子力発電所がありますし、台湾や中国でも始まっています特に韓国と日本では、韓米原子力協定、日米原子力協定という中での原子力の活動が行われているわけですですから、両国の協定のもとでの原子力活動であるわけですし、その改定が、韓米原子力協定は2014年、日米原子力協定は2018年に改定の時期を迎えているので、この傘が原子力活動の中で非常に強い要素になっています

 核物質には国籍が付いているんですねそこで米国の国籍になっている場合には、協定の協議事項になるわけです

――先日の『クローズアップ現代』で、原子炉の解体に関わる人材が不足している問題が取り上げられました原子炉解体の人材の確保ということについて、どう思われますか

菊池 これは(解体の)やり方によると思っています廃炉にしても、福島第一原発の1〜4号機の解体と、通常の原子力発電所の解体は基本的に違います通常の場合、まず燃料を全部抜いて、燃料のない状態の中で順次やっていくので、それほど特殊な技術がいるわけではなく、作って運転する時ほど特殊な人材を養成しないといけないということはありませんこれはほかの産業と同じようなマンパワーでやっていけると思っています

 福島第一原発の1〜4号機の場合には、残った破損している燃料をどうするかということですこれは今まで経験のないことですやった経験があるとすれば、私がいたJAEA日本原子力研究開発機構)の再処理工場、もしくは燃料を切り刻む研究をしているホットラボですそうした実際に強烈な放射線を出す燃料を扱った人たちの技術を融合させていこうということになっていますこれはいろいろ記事にも出ていますが、1〜4号機解体のための大きな組織が作られていくと思っていますし、それがなければできないだろうと思います

――政府関係者なども公言していることですが、原子力発電を必要とする1つの大きな理由は兵器を作るために、そのような技術を持ち続けなければいけないということですこれは日本にとって重要なことだと思いますか

菊池 基本的に日本の場合はIAEAのセーフガードのもとに、文民統制としてやっていますそれと同時に昨今、「原子力委員会をつぶせ」という意見があるのですが、原子力委員会は本当は平和利用担保のために存在する委員会なので、「昨今の議論はちょっとおかしいんじゃないか」と思っています平和利用を担保するための委員会として発足しているわけですから、その平和利用を監視する意味からも、原子力委員会の存続というのは非常に重要だろうと考えます

 周辺国がどういう風に受け取るかについては、まったく別の問題です例えば、日本は宇宙ロケットがあるし、プルトニウムもたくさんあるから、多分できるだろうと周りが思うのは、勝手な話です

 今、使用済み核燃料を再処理してから出てくるプルトニウムでは、燃える部分は60%ほどしかありません核兵器では90%を超えていますので、作ろうとすると極めて効率の悪い難しい材料を使うことになるんですね同じプルトニウムでもかなり性質が違うんです学者によってはそんなものでも作れるんだという人もいますが、わざわざ効率が悪いことをやる人はいないだろうと思います

――改めてですが、今、理事長を務められている原子力研究バックエンド推進センターについて、どういうことをしているか教えていただけますか

菊池 日本の放射性廃棄物のまとめ方というのは、あまり良くない体制と思っています例えば、低レベル廃棄物に分類される原子力発電所のドラム缶の形の廃棄物は青森県で処分しているのですが、同じようなものであっても、原子力発電所のものしかいかないんです大学や東芝、日立など放射性廃棄物を出しているところが日本には100カ所くらいあるのですが、一元化されていないので、そこの低レベル廃棄物は行き場がないんですね

 私たちの組織は歴史的にはいろんないきさつがあったのですが、現在ではそういう民間や研究所の廃棄物をまとめて処分する道を作ろうというまとめをやっていますそのため、国ではなく、民間のみなさんからの基金をもとにやっています現在、数億円単位の予算でやっていますが、スタッフは常駐そのほかを入れて30〜40人ほどです

 国にも働きかけて、法律ですべての放射性廃棄物について網をかけたのですが、主要国のように高レベル廃棄物も含めた放射性廃棄物を、一元化した組織の中で国が関与しながらやっていくというのは当然の姿ではないかと思います現在の青森(六ヶ所再処理工場)にしても、民間の会社(日本原燃)が何百年も責任が持てるのかという基本的な問題があるので、国の組織が放射性廃棄物についての最後の責任を持ってやっていくという風に一本化したいということで、いろんな意見を申し上げています

 また、個人的な見解ですが、福島第一原発の1〜4号機から放出されたセシウムの量はどのくらいだと思いますかほとんどがセシウムですが、全部固体にして集めたとすれば理論上30センチ角ほどになります何が言いたいかというと、本来事故がなければ福島の発電所の廃棄物として処分されていたものが出たとも言えるわけなので、そういう科学的な手順を見ながら最終処分をすることを考えてほしいと思っています

――すみません、正直にお話ししていただけないかと思いますお話を聞いていると、今まで出てきた放射性廃棄物が微々たるようだというイメージを受けるのですが、すでに何千トン出てきていると思いますそして、ガラス固化体※にするプロセスも、非常に長い時間がかかる本当に大きな問題だと思いますそして最終的な地下貯蔵という話ですが、世界を見てもどこにもそのような場所は確保されていませんですから廃棄物の問題というのが深刻な問題ではないかと思いますそれに対応できるような具体的な策を1つでも提案していただけますか

※ガラス固化体……核燃料サイクルの最終工程である地層処分のための最終梱包・処理形態高レベル廃棄物をガラスとともに融解し、ステンレス製のキャニスター(容器)へ注入・固化して作成する

菊池 多分見解の違いだろうと思うのですが、我々、現実にやっている者としても量的なプレッシャーは感じていますそれで、十分コントロールできる範囲であると考えています今、ガラス固化体の話をされましたが、日本人が人生70年間、原子力発電を享受したとすると、発生するガラス固化体の量は1人当たりゴルフボール3個なんです

 ですから、私がことさら少ないと言っているのではなくて、管理できる範囲内であるということです押し寄せてきてつぶされるような状況ではないということですですから、例えば青森でも、すぐに地層処分ができなくても、貯蔵できないというレベルではまったくないということです例えばガレキや生活ごみのように、日常出てきてプレッシャーを与えるというようなものではありませんですから今、50年貯蔵とか言っているわけですが、それを例えば100年貯蔵にしたとしても十分管理できるということですイルCS(GI・芝1600m)に出走予定の、ストロングリターン(牡6)、ファイナルフォーム(牡3)、リアルインパクト(牡4)について、管理する堀宣行調教師のコメント

◆3頭併せの追い切りについて
「それぞれタイプが違いますが、目的のレースが一緒ということで、3頭で併せましたそれぞれにテーマが違いましたが、先行していたファイナルフォームは、基本馬なりで、他の馬に合わせずに無理をしないようにという内容でしたチークピーシーズを着けているように、少し気を抜くところのある馬なので、その辺を気を付けて追い切りましたリアルインパクトは、逆に、精神的に最近少し慣れ過ぎているところがありましたので、少し強めにやりましたストロングリターンは、気のいい馬で、輸送も控えていますし、基本、馬なりで、それ以上無理をしないようにと言うことで、追い切りました3頭でしっかりと併入して、いい併せ馬だったと思います」

ストロングリターンの状態について
「前走の毎日王冠(GII・1800m・7着)は、1頭速いペースで逃げていて、馬群がバラける展開でしたので、仕掛けどころが難しいレースでした特に前が離れ過ぎてしまったので、捕らえられないのではなかということで、仕掛けが早くなったことが、あの馬の持ち味を生かせなかった大きな原因ではないかなと思います

一度、山元トレセンの短期放牧に出て、入厩までの間に右トモ脚の裂蹄を発症しまして、1週間ほど状態を確認していましたので、当初、帰厩してすぐの木曜日に追い切りを予定していたのですが、それが週末に延びたという状況でしたただ、裂蹄についてはしっかりケアをして問題ない状態で、その影響は最少限度にとどまったと思います先週、今週と気候の方も、涼しく安定してきていますので、強い負荷をかけて、この馬自身としてはフィジカル面はいい状態で来ていると思います

コースレイアウトとしては、京都は向くのではないかと感じています去年もおととしも、特に夏を越して秋の調整がうまくいかなかったというのもあり、マイルCSは今回初めての参戦になりますが、マイルのGIレースとしては、この馬の能力が出せる舞台ではないかと常々思っていました東京に比べて京都は、脚を溜めて最後に爆発させるという、この馬の良さを行かせるコースなので、そのあたりを証明できればと思っています」

◆ファイナルフォームの状態について
「夏場に少し爪の不安があって、帰厩が1週遅れましたその中で調整を工夫しましたので、前走の富士S(GIII・芝1600m・2着)は、態勢は整っていたと思うのですが、勝負どころの反応の鈍さにそのあたりが影響していたのかもしれません前走は、斤量的な面で言えば、別定重量で1キロ背負っている状況でしたが、互角に戦えていましたし、この3歳世代はレベルが高いと言われているのは間違いないなと思いました

爪の不安など、まだ弱い面もあり、しっかりと強い調教をやっていない部分もありますので、まだまだ成長過程の段階ですその中で、どの程度やれるのかなと思っております基本的にこの馬も、普段、牧場への移動や、福島への輸送を経験していて、輸送はさほど気を遣うタイプではありませんので、関西遠征時にはレースの2日前という厩舎の従来のスタイルでの輸送を考えています左手前で走りたがる傾向が普段からあります左が利き脚というよりは、右手前が不得意と言っていいと思いますので、右回りは問題はありませんただ不安は、京都の下りのコーナーをどのように乗ってくるのかということですね」

リアルインパクトの状態について
「前走の毎日王冠(4着)は、難しい流れの中でしたが、その中でもいい位置取りで競馬ができましたそういう意味では、もう少し、勝ち馬に詰め寄る場面があっても良かったのかなとも感じています一度、ノーザンFしがらきの方に短期で放牧に出しましたこちらは馬が慣れ過ぎている部分を感じていましたので、気持ちをフレッシュにしたいということで、早めに帰厩をさせましたその後は意識的に、強めの調教と、通常のパターンとは違う調教を取り入れて、気持ちの方をフレッシュな状態で競馬に向かえるように工夫をしてみました

昨年の秋は悪い状態ではなかったと思っていたのですが、マイルCS(5着)、阪神C(10着)と、関西圏は結果が出ませんでした仮定の話にはなりますが、早めに輸送することによって、環境にすぐに慣れてしまい、緊張感のないまま競馬に行っているのが原因かなと感じていましたそれで今回は、追い切った後の様子を見てからということになりますが、2日前入厩ではなく、前日の入厩をする予定です土曜日は渋滞がありまして、平日より1時間強、輸送時間が多くかかるのですが、それを承知で前日輸送をすることにしました輸送での負担を軽減するボディスーツを今回初めて試してみる予定ですその1人が、原子力研究バックエンド推進センターの菊池三郎理事長だメンズ 腕時計その1人が、原子力研究バックエンド推進センターの菊池三郎理事長だカルティエ 腕時計その1人が、原子力研究バックエンド推進センターの菊池三郎理事長だロレックス腕時計